逆子安産

はじめに…

全出産の5%が逆子での出産を迎えると言われています。

確率から言えば5%ですので、ほとんどの逆子は自然に直ります。

そして逆子治療をすることで、その5%に入る確率は更に小さくなります。

 28週を過ぎて逆子と診断されたら、出来るだけ早く治療をお受けになることをお勧めします。

なぜ逆子はよくないのか …

逆子での分娩は全分娩の3~5%と言われてます。逆子に伴う主な問題点として

1、破水しやすい、早産になり易い… 足が下になるので産道の入り口を蹴飛ばして余計な刺激を与えてしまう。

2、分娩に時間がかかる… 生まれるときには一番大きい頭が先に出るのが物理的にも楽に出られることになります。また、身体が出て頭が最後だと、その間は赤ちゃんは呼吸ができません。そのため赤ちゃんが仮死状態で生まれてきたりすることもあります。また鎖骨骨折を起こすなど、正常な分娩に比べてリスクの高いお産になります。ただし現在では逆子と診断されると、ほとんどの場合帝王切開を行います。

3、帝王切開を選択せざるを得ない… 2、のように逆子での経膣分娩は非常に危険を伴う為にほとんどの産院では帝王切開を選択します。帝王切開になった場合、産院を変えなければならないケースもあります。また、里帰り出産や上のお子さんがいる場合などはいろいろと段取りを変更しなければならなくなります。

4、では逆に、帝王切開の良いところは… 出産がほぼ予定通りに行われるので心の準備がしやすい。また産科医や助産師も予め準備を整えた状態で出産に立ち会うことが出来る。これは非常に心強いです。


逆子とは

 赤ちゃんは通常お母さんの子宮の中で頭を下にした状態(頭位)にあります。逆に頭を上にして足やお尻を下にした状態(骨盤位)を逆子と言います。

 妊娠中期までは逆子であっても問題ありません(お医者さんも問題視しません)。この時期の赤ちゃんはまだ小さいのでお腹の中で上を向いたり下を向いたりしています。
 妊娠後期(28週以降)から頭が重たくなり、次第に頭を下にした状態(頭位)になってきます。この時期に逆子と診断されると逆子治療が適応となります。
 この時期に逆子と診断されるのは30%~40%です。また実際何もしなくても満期(37周以降)になると、その割合は3~5%になります。

 一般的な逆子の矯正法として、母親が胸膝位(きょうしつい)という体位を取る逆子体操や、直接お腹の上から手で胎児を回す外回転術があります。前者は有効性が疑問視されているし、かなり大変です。後者は胎盤剥離などの危険を伴うため安全性に問題があるため、お医者さんによってはやらないことも多いようです。


なぜ逆子になってしまうのか?

1、子宮の形(奇形)
2、前置胎盤(胎盤が通常より子宮口に近いところにある)
3、骨盤が狭い
4、臍の緒が短い
5、羊水過多
6、母体の冷え
7、母体の浅い呼吸

 以上が挙げられますが、1~5については産科医とよく相談されるべきでしょう。6と7に関しては鍼灸治療の適応となり、逆子や安産の治療で効果を上げることができます。また、これらの症状があるからと言って必ずしも逆子になるとは限りません。 


鍼灸による逆子の治療について

 妊婦さんの多くは仕事を持っていたり、家事をほぼいつも通りやっています。ストレス、肉体疲労などで身体が緊張状態にあります。当院ではまず妊婦さんのその時の状態に合わせてはり治療をおこないます。それによって身体がリラックスしてお腹の張りや腰の痛みなどが改善され、赤ちゃんが動きやすくなります。このはり治療をすると、お灸の効果もかなり上がります。
 逆子の治療に良く使われるのが「至陰」と「三陰交」があります。
「至陰」…….足の小指の爪の外側の根元から少し外れたところ。
「三陰交」….足の内くるぶしから指4本分上に行ったところの骨の際。

 治療を始めるタイミングとしては、28週で逆子と診断されたら出来るだけ早く治療を開始するのが理想的です。28週で90%、34週で40%と言われています。36週過ぎても回ることはありますが、早く治療を開始した方が回転する確率は高くなります。

「至陰」にお灸をしているところです。火が皮膚につく前に取り除きますので、熱さは感じません。

「三陰交」に温灸をかざしているところです。柔らかい温感を感じます。


安産の為の治療について 

 安産の治療はお産が楽になるだけでなく、妊娠生活が楽になり、産後の肥立ちもよくなります。特に35歳を過ぎてからの出産の方はお奨めします。
 5カ月を過ぎて安定期に入ってから始めます。全身を調整し、更に子宮内の環境を整えることにより、妊娠中の足の浮腫み、だるさ、つわりをはじめとする様々な妊娠中のマイナートラブルを軽減することができます。

1、母体の免疫力が上がることで元気な赤ちゃんが育ちます。
2、産後の肥立ちもよくなります。
3、逆子の予防にもなります。
4、分娩が楽になります。

 母体と胎児は胎盤を通じて繋がっています。母体の免疫力が上がるということは、胎盤を通じて胎児にもそれが伝わります。

 妊娠中は出来るだけ薬を使いたくないとお考えのお母さんが多くいると思います。鍼灸治療をすることで免疫力が高まり風邪を引きにくくなり、消化器系、呼吸器系の疾患の予防にもなります。


安産の灸…

 安産の灸として有名なツボとしては「三陰交」(詳しくは上記の「鍼灸による逆子の治療について」を参照下さい)があります。このツボのお灸は鍼灸治療と併せて、ご自宅での養生法としても使います。正確なツボの位置、施灸方法に関してはきちんと説明させて頂きます。