起立性調節障害

朝になっても目が覚めない。目が覚めても起きられない。

朝起きるとお腹が痛い、気持ち悪い、頭が痛い、くらくらする。

夜、中々寝付けない。昼夜逆転。

立ちくらみやめまいをよく起こす。

疲れやすい、身体が重い、だるい。

動悸や息切れがする。

ずっと立っていると目の前が真っ暗になり気を失うことがある。

イライラ感、集中力の低下。

以上が起立性調節障害にみられる一般的な症状です。

保護者の方へ…  是非ともお読み頂ければと思います。

 この病気の特徴である、朝なかなか起きられない。一日中ごろごろして、夕方あたりから元気になり、夜寝る頃になると寝付けなくなるという悪循環。
 一見その子の心掛け次第でどうにかなるのではないか、と思ってしまうこともあると思います。

 そして、この起立性調節障害の難しいところは本人でないと分かり得ない症状があるというところです。例えば、家でずっと元気に過ごしていたのに、いざ学校に行こうとすると具合が悪くなる、というのはよくあるケースです。

 そういったお子さんの心のあり方、不安や葛藤に寄り添い、身体の状態をきちんと把握していくことは治療を進めていく上で非常に大切になってきます。

 当治療室では起立性調節障害の症例が多数あります。そして一見分かりにくい身体の状態も脈をはじめお腹の状態、皮膚の艶、頸肩部の張り、呼吸など細かく診察しお子さんの状態を把握することで慎重に治療を進めることが出来ます。

 そして、起立性調節障害の治療を進めていくにあたって、お子さんの治療と同じくらいに家族や周囲の方々のこの病気への理解がとても大切になります。お子さんの心や体のあり方をどのように捉え、どのように接していけばよいかなどアドバイスさせて頂きます。

起立性調節障害についての「村上はりきゅう治療室のブログ」

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起立性調節障害について…

発症年齢は?…10歳から16歳で、小学校高学年から高校生位までですが、最近は小学校低学年のお子さんや20歳前後の方もいらっしゃいます。

発症頻度は?…頻度の高い疾患です。有病率は小学校では全体の約5%、中学校では約10%、男女比はおよそ1:2で女子の方が多くなってます。

自律神経の働きに狂いが生じることで、様々な症状が現れます。健康な人は、朝になると身体にONのスイッチが入り血圧があがり活動できるようになります。しかし、この病気のような状態になると朝になっても中々ONのスイッチが入らず、身体を起こすことが出来ない状態になります。またそれに付随して様々な症状が出現します。

治療について…

 この病気に罹られるお子さんは外部からの刺激に対してとても敏感です。出来る限り優しく身体に働きかける施術を心掛ける必要があります。主に鍼を中心に施術します。必要であればお灸を補助的に使います。

 当治療室の経絡治療は自律神経をはじめとする全身調整が主な目的であり、諸症状の改善を目指します。

使用する鍼は、小児用の刺さない鍼を用います。

 手足のツボに軽く数か所に接触させます。どのツボを選択するかを決めるために脈やお腹、手足の皮膚の状態を診ます。

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患者さんの声

<小学校6年生の女の子>

 お腹の調子が悪くなることからはじまりました。毎日お腹の調子が悪くなり、食欲が全くなくなり大好きなお菓子すら食べなくなりました。朝は気分が悪くて起きられず、夜はなかなか寝られず、何日も学校を休み、修学旅行も行けませんでした。「起立性調節障害」と診断され、薬を処方されましたが、良くなるきざしが見られず、わらにもすがる思いで村上先生に電話をしました。「子供の鍼灸」「鍼をささない」いろいろなところをさがし、先生のホームページにたどりつき、行ってみようと思ったのですが、やはり少し不安でした。でも治療室から赤ちゃんを抱いて出てこられたお母さんを見て、赤ちゃんでも大丈夫なんだと安心したのを覚えています。
 実際に治療を受けた娘は「先生がやさしくさわるだけなのに、なんだかすごく気持ちいい、毎日でも来たいぐらい」と言い、週2回通ってます。
 ある朝、「おはよう」と起きてきました。「お腹がすいた」と言うようになり、学校に行かれるようになり、まったく食べられなかった給食も友達と楽しく食べ、秋の大運動会も元気に参加しました。学校のあと塾にも行かれるほど体力が戻ってきました。先生には本当に感謝しています。
 そして娘はこれからも通い続けてもっともっと元気になりたいと言っています。

<コメント > はじめて来院されたときの様子は、とても痩せていて顔色が悪く表情も乏しい、やっと起きているという感じでした。
 この病気の特徴は身体を動かす為の「陽の気」が不足してしまうところに原因があります。その陽の気を補う様な治療を週に2回のペースで続けました。2ヶ月を過ぎたころには食欲も出て来て顔色も良くなり、学校にも行けるようになりました。
 こういった患者さんに必要なことは焦らないこと、無理をさせないこと、そして周囲の理解が何よりです。患者本人の精神的な安定にも繋がり、経過にも影響があります。この患者さんの症例は比較的順調に経過を辿っていったケースです。


<小学校5年生の男の子>

 夏休み明けに数日登校してから、朝になると頭痛、腹痛、吐気がすると言い始め、登校できなくなりました。
 大学病院で検査をしたところ、検査結果に異常はなく、起立性調節障害と診断されました。(後に起立検査での異常がなかった為、心身症との診断に変更)
 漢方薬での治療を受けていたところ、インターネットの検索で治療室のことを知り、9月末に一度行ってみることにしました。
 正直なところ親の方は当初その効果には懐疑的だったのですが、子供の方が、痛くないし、何だかすっきりすると、とても気に入ったので、続けて通院することにしました。およそ週1回のペースで診て頂きました。
 10月3週目から学校に連続して行けるようになりました。(それまでは10月始めにあった宿泊学習には参加しましたが、ほとんど不登校の状態でした。)
 通院は11月下旬で終了となりましたが、その後調子を崩すことなく、学校にも行けています。
 早い段階ではり治療に出会い、効果が得られたことに感謝しております。その節は大変お世話になり、ありがとうございました。

<コメント> はじめて来院されたときは顔色が悪く、とても辛そうな表情をされていました。呼吸も浅く、身体全体が緊張している様子で、睡眠も上手く取れていない感じでした。身体的な苦痛はかなりあったと思われます。
 約2ヶ月の治療期間で治癒したのは、症状が出てから早い段階で治療を始められたのも大きな要因であると思います。
 医師から診断を受けてからは無理をさせず治療に専念させたのも経過が良かった要因と思います。

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治療実例

中学1年で発症 身体のだるさ(特に起床時)、ふらつき

初診時 平成28年9月3日

中学2年生 14歳 男子

主訴 だるさ(特に起床時)、ふらつき

他の症状 鼻水、頭痛、手足の冷え、多汗、寝つきが悪い、途中で目が覚める。学校は休みがちで1週間ずっと行けないこともある。

クリニックではじめリズミックを処方される。2か月後の11月2日にメトリジンとインデラルに変更。

週に1回の治療をずっと継続。

最初診た時の感じはとても首や肩が緊張し、お腹も硬く、呼吸が浅い。手足が冷えて汗が多い。

はじめの1か月は、学校に行けるほどではないが治療を始める前よりは顔色等は良い。

11月以降、天候の影響の為かだるさと寝つきが悪いのが目立つ。薬をメトリジンとインデラルに変更。

11月に薬を変えてから寝つきが悪いのでメトリジンのみにする。

平成29年、年が明けてから寝つきの悪さはあるが学校には行けるようになった。クリニックの起立テストは以前よりも数値的には良くなっている。

2月に入り、寝つきの悪さは少しずつ改善しているものの良いとは言えない、学校には行けている。

3月、大分調子は良くなり、野球部の部活に出られるようになった。寝付くまで30分くらいかかる。

4月、クラスが変わったりして緊張しているせいか寝つきの悪さと起床時のだるさが出てきた。

5月、体調は戻り、部活の朝練も出られるようになったが、無理はしないようにする。修学旅行にも問題なく行けた。

6月に入り、寝つき、起床時のだるさ共に良い。部活も他の部員と同じメニューをこなせている。

7月、野球部の県大会で1日中外にいたが大丈夫だった。

9月から調子が良いので2週間に1回のペースで治療。

以降、受験勉強等も問題無くこなす。

平成30年5月、調子は良いがクリニックでの起立テストの時に少し気分が悪くなったが、数値的には悪くなかった。

8月、普段の体調は良好。クリニックでの起立テストも問題なくこなし、数値も正常値なので、治療を終了とした。


高校2年の秋に発症 頭痛、不眠、気持ちが不安定、生理痛

初診時 平成28年3月31日

高校3年生 17歳 女子

主訴 頭痛、不眠(寝つきが悪い、寝付くまで2~3時間かかる、起きれない、夢が多い)、気持ちが不安定、生理痛

その他の症状 動悸、息切れ、疲れやすい、めまい、ふらつき、学校はずっと休みがち。

始めは週に2回のペースで治療、症状の経過を見て週に1回、2週間に1回としていった。

初診時の印象はとても顔色が悪く、首肩がとても硬く凝り固まっていた。手足が冷たく少し汗ばんでいた。呼吸が浅く、身体の置き場が無いような感じ。

最初の5回は週に2回の治療。初診から3週間後の5回目の時には大分寝つきも良く頭痛も改善された。

その後、週に1回のペースで治療をする。気圧や天候、スケジュールがきつめになると体調が不安定になり、だるさや、頭痛が起きたりしていたが、体調は大分良い。

治療開始から2か月半後の15回目の治療から2週間に1回のペースで治療。この頃は朝早く起きて勉強ができるまでになった。

生理ときに頭痛と腹痛がるあが、その他は特に問題ない。

年が明け、高校を卒業し無事進学する。

生理痛はあるが、日々の生活には問題がない為、治療を終了とした。


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冬に症状が悪化する

初診時 平成28年5月12日

中学3年生 14歳 女子 陸上競技部に所属、主に短距離。

主訴 冬の寒い時期になると調子が悪くなり、朝起きられなくなる。その際に気持ちの悪さだったり腹痛がある。冬になると症状が悪化し、朝起きられなくなる。春から夏にかけては冬に比べればマシだが朝は辛い。発症は2年前の中1の秋。メトリジン(昇圧剤)とセルシン(安定剤)をクリニックから処方され服用している。

その他の症状 寝付けない、手足が冷える、頭痛、生理痛、起床時にふらつきや立ちくらみがある。首から腰まで全体が凝っている。

1週間から2週間に1回のペースで治療。

初診時の印象 見た感じは部活動をこなせており、中肉中背で全体にしっかりしている。手足は冷たく、呼吸は浅い。首肩から腰に掛けての筋肉の張りが認められる。こめかみに張りがある。

治療開始から1ヶ月後の4回目、軽いめまいや頭痛はあったが、基本的には調子が良い感じがする。

9月の半ばから寝付けない日や起きにくい日が増えて来る。しかし昨年と比べればかなり楽。寝つきが中々良くならないが、朝は起きやすい。

12月に入ってから寝つきが良い日が増えた。調子は良い。たまにめまいがある。

寝つきと寝起きは良かったり良くなかったりを繰り返しているが、基本的には調子が良い。年が明けて受験も無事終わり、進学先も決まる。

寝起きや寝つきはまだ完全ではないが、一応日常的には問題ないとのことで終了とした。